プロジェクトの失敗を予感させる体制図・役割分担表のパターン

2019-11-29

ことしの子供の夏休みの自由研究は、8割くらい僕が作りました。プロジェクトの開始時にしっかり役割分担を定義するのって、大事ですよね。

プロジェクトを始めるときには、体制図とか、役割分担表みたいなものを用意ことも多いかと思いますが、『困った体制図・役割分担表』を目にすることも多いです。 最近は、プチ炎上のプロジェクトに途中参加することも多いので、なおさらです。

この記事では、そんな『イケてない体制図・役割分担表』についてご紹介します。

体制図・役割分担表のアンチパターン

複数のレポートライン

f:id:cycle8b:20170821202328p:plain

これは、手垢が付くくらいに、よく言われるコトですよね。

さすがに『レポートラインが複数になっている体制図』そのものを頻繁に見かけることはないですが、『暗黙的に複数のレポートラインが存在する』ってことは、意外と多いんじゃないでしょうか?

実質的にはプロジェクトに対して役割も責任もなくて、指示も協力もないような人でも、 いろんな詰まらない理由で体制図に載せなきゃいけない・・・なんてこともないですか? 社内政治的だとか、忖度だとか、体面だとかプライドだとか。僕のトコだけ?

事実や実態に即していないような体制図・役割分担表は、途中参加のメンバーの混乱を招きます。どんなドキュメントでも一緒ですけどね。

余計なストレスも掛かるし、更には『計画書にはあんなふうに書いてあるけど、実際には少し違う。』みたいな事積み重なって、結果、誰も計画書を信じなくなってしまうのが怖いですね。

事実・実態をシンプルに書く。この原則を忘れないようにしたいものです。

とはいえ、自分の権限や影響力の範囲ではどうしても従わざるを得ない場合もあると思います。そんなときには、

  • どのパスに対して、どんな情報をレポートするのか?
  • 相反する指示があった場合はどうするのか?

くらいは、前もって決めておきたいですね。

意味不明な"点線"

f:id:cycle8b:20170821202726p:plain

役割・ヒトが"実線"で繋がっているのに、ときどき『点線』が登場するような体制図もあります。『点線と実線は、どう違うの?』という至極素朴な疑問を解消するヒントは、どこにも記載されていません。

きっと、『”プロジェクトへの参加割合が少ない人"だとか、”正規メンバーじゃないけどアドバイス程度で参加する 人 “だとか、"プロジェクトには関与しないけど、偉い人だから一応書いとかないといけない。"みたいな意味で、後でいろいろ言われないように、一応、図には加えておきたい。』みたいな意図なんだと思うけど、明記はされていません。もしかしたら大事な意味が隠れてるのかも。

点線で結びつかれた人は、どんな気構えでこのプロジェクトに参加すれば良いのでしょうか。

プロジェクトのメンバーとして活動しないけど、要所要所で重要な判断や情報のIN/OUTが必要な人なら、体制図に入れないで、ステークホルダーとして管理・記載したほうが良いと思います。

意味もなく一部の要素だけフォントサイズや配色や図形の種類を変えるのは、特別な意味があるように見えてしまいます。

以下、まとめ。

  • デザインの違いに特別な意味があるなら、それを資料上に明記する。
  • デザインの違いに特別な意味がないなら、わざわざデザインを変えない。
  • デザインの違いに本当は特別な意味があるけど、明記するとカドが立ってしまうなら、特別な意味を消してしまう(別の問題として、別の資料/図で管理する。)

実質的な役割が不明瞭な"旗振り役"

プロェクトでの仕事に限らず、メンバーの役割を決めるは、管理者の大事な仕事です。『役割を超える動きをしてほしい』と考えるマネージャーの気持ちはよくわかりますが、多くの場合、そもそも『ベースとなる役割』が定義されていなかったり、曖昧なことも多いのではないでしょうか。

『役割が定義されているように見えるけど、曖昧で、実質定義されていないようなモノ』という場合は、マネージャーから見ると、明確に定義した気になってしまっているから、定義してないよりも厄介かもしれません。

プロジェクトマネジメントが定着していない組織でよく耳にする、役割を指す名前に『旗振り役』というものがあります。

エンジニアよりも、事業部側のスタッフに対して命じられることが多いかもしれませんが、何をする人なんでしょうね。文書よりも、口頭で聞く機会が多いです。稀に『旗振り役』という名の『ミーティングを招集するだけの情シスのスタッフ』がいたりしますが。

類義語に『推進役』ってのもあります。

実質的な役割が不明瞭な"副担当"

f:id:cycle8b:20170821211528j:plain

『副担当』もよく聞きますが、これも注意が必要です。任命した人は、何を期待して『副担当』を任命したのか、明確にしたほうが良いでしょう。

よくあるパターンは、こんな感じでしょうか。

  • 主担当の不在時や、出勤できない場合に、代理として同等の動きをする。
  • 主担当のサポートとして、主担当から振られた仕事をこなす。
  • 主担当の経験・スキル不足を補ったり、教育する。

この辺をハッキリさせておかないと、『副担当』になった人も、自分の役割をどう捉えればいいのか悩んでしまう人も多いんじゃないでしょうか。

あらゆる仕事と責任を押し付けられる"共通チーム"

便利ですよね。『共通チーム』って名前。

プロジェクトを横断した問題・課題の解決を担当するチームであることが多い印象です。『横串チーム』みたいな名前を付けるプロジェクトもあるんじゃないでしょうか。

ただ、よく気をつけないと『ちょっとでも領域をオーバーラップしてる問題とか、担当を決めづらい問題は、全部共通チーム』みたいなコトが起こったりします。そして、どんどん溜まっていくメンバーのヘイトと、チーム間の不和。やがて仕事の押し付け合いに・・・。

基本的に、高いスキルと豊富な知識・経験が求められるチームになることが多いと思います。そんな優秀なメンバーに活躍してもらうために、ヘンテコな役割分担にするのは避けないといけないです。

『共通チーム』を『共通チーム』として機能させるためには、『共通チーム以外』の役割をはっきりと定義する必要があります。じゃないと、いい加減な役割定義のしわ寄せが全部共通チームに行ってしまいかねない。

何も説明していない"説明欄"

役割の名前が『旗振り役』とか『推進役』でも、それ自体は別に構わないんですけどね。

こんな感じの役割の説明も、稀に見ます。『旗振り役』とか『推進役』の説明が、『プロジェクトの旗振り役を担う』みたいな説明だと、まるで意味がありません。何も説明してない。

ホントは嫌だけど、そこはまだ我慢できる。ただ・・・

国語辞典で"検討"を調べたら、"検討すること"って書いてあった。』って話に似てます。

・・・いま作った話です。そんな話も、そんな国語辞典も、きいたことありませんが。

どんな役割で何をする人なのか、具体的に言葉で説明できないなら、もうちっとよく考えた方が良いです。

No.役割名説明
1推進役 プロジェクトの推進役

慣習主義的な人員配置

『社内の情シスのスタッフが主担当じゃないとイケナイ』とか『●●部の人が主担当じゃないとイケナイ』みたいな不文律のせいで、明らかに能力・経験不足な人の名前が乗ってる。そして、実務は全部、副担当が実施している。PMもメンバーも、主担当には聞かずに副担当に頼っている・・・みたいなこと、結構ありますよね。え?ない?僕の周りだけ?

このケースは、主担当者にとって、ものすごく不幸です。

そんなときは、副担当の役割(主担当の経験不足・知識不足を補う とか)を明確にして伝えておかないと、主担当・副担当・周りのメンバーに負の感情が溜まっていく一方。

たとえば、『経験を積ませるために、能力的にかなり不足してるけど、教育目的のために良かれと思って主担当にアサイン』のだとしても、それをちゃんとメンバーに伝えないマネージャーが多すぎます。

ちゃんと説明しないと、メンバーから見たら『ただの無茶振り』だとか、『役割や指示が曖昧』というようにしか映りません。

“計画"の目的化

『役割が曖昧だけど、まぁいっか。キックオフに間に合わないし。』みたいなノリで作った計画書。

『まぁ良い』訳が無いです。曖昧な役割を与えられたメンバーのことを、よく考えた方が良いですよね。

主体的なマネジメントの欠如

こんなことも、稀にあります。

『●●って、具体的に何をする役割のことですか?』と聞くと、『もう企画部門の方で、この体制図を作ってあったから、そのまま使ってるだけです。』と答えちゃうPM。

自分が『プロジェクトの完了に対して責任をもっている』という自覚が希薄です。

企画部門が詳細なタスクに落とし込んでいる訳じゃないし、プロジェクト管理について充分なノウハウを持っていないことが多いし、ましてや、彼らにプロジェクトを完遂する責任は無い。

そんな人達が作った、体制図の『案』を、何の疑いもなく使うような事が無いよう、気をつける必要があります。

さいごに

まだまだネタは尽きない気がしますが、グチっぽくなってきたので、この辺にします。

また何か見つけたら、追加します。

この記事は以上です。