2018/03/04 追記:
この記事を書いた2007年春から約1年、急速にRPAが普及し始めました。この記事を書いた後にいくつかの記事を書いたので、こちらもどうぞ。
2017年5月現在、どうやらRPA(Robotics Process Automation)なるものがアツいらしいです。
とはいえ、Seleniumみたいなテスト自動化ツールと比べて、何がどう違うんだろうか。 そんな疑問を抱えながら、実際のツールで遊びながら調べてみることにしました。この手のツールは、あれこれ論じるよりも、試してみるのが一番確かで手っ取り早い。

RPAとは?
Robotics Automation Processingの略で、どうやら『パソコン上のいろんな操作を自動でやらせるツール』ってことらしいです。
アイデアとしては、特に目新しさはない気がします。それに、Seleniumみたいなテスト自動化ツールと一体何が違うの?という疑問も晴れません。
Wikipediaによると、こんな感じ。
認知技術(ルールエンジン・機械学習・人工知能等)を活用した、主にホワイトカラー業務の効率化・自動化の取組みである。
(中略)
RPAが目指すのは伝統的なIT部門スタッフ向けのプログラミングベースの自動化ではなく、ITナレッジの少ない業務部門スタッフ向けの直観的な操作で構築可能な自動化である。
(中略)
業務自動化に関して業務部門におけるセルフサービスが実現される。次に、高度なITスキルを持つIT部門のスタッフがERPシステムやBPMシステム等戦略的でコアな企業ITシステムの構築、導入、運用に集中することができる。
ロボティック・プロセス・オートメーション – Wikipedia
つまり『業務部門が、自分で(IT部門を介さずに)、認知技術を使って、業務を自動化・効率化するためのツール』ってトコでしょうか。
正直、眉唾ですが。特に「業務部門が」のくだり。
こんなときは、自分で使ってみるのが一番です。
どんなに立派な解説記事を読んでみたり、一度も使ったことがないようなツールを分析しても、大抵は的外れな評価を下してしまいます。
という訳で、まずは実際のツールを試してみることにしましょう。
国内の製品・ベンダー
具体的な社名・製品名の言及は避けますが、国内でRPAの取り扱いのあるベンダーは、どこもかしこも『資料請求・試用版はお問い合わせください。』だそうです。いざ、問い合わせフォームに書こうとすると、社名・部署名が必須だったり。
個人の開発者はハナから相手にしてないようです。ちょっとテンション下がります。
特にエンプラ向けのソフトウェアは、情報の非対称性が大きいにも関わらず、買い手が事前に試用できないような製品を売ろうとする・・・ってのは、どうなんでしょうね。
一方で買い手側も、ロクに自分で試しもせずに、さも『正しく評価・選定しました』って雰囲気出すために策を弄したり。
例えば、ソフトウェア品質特性 ごとに評価項目・重み付けを定義したり。
例えば、RFI/RFPで詳しく情報を集めて、評価結果のポイントを付けてみたり。
・・・無駄なのに。
まぁ、全くの無駄じゃない場合もありますけど、明らかに労力に見合いません。基本、カッコつけてるだけ。言い訳を作ってるだけ。
少なくとも、一度も試してないのに『エンドユーザーでも作れる』って話を信じちゃうのは、さすがにお人好しすぎです。
仕方ないから、海外製品を探してみた
という訳で、国内製品は無視して、海外の製品を探してみます。仕事ならともかく、遊びで探しているので、無料/フリーで使えるもの限定です。
今回はGetAppでも良さげなのが見つからなかったので、”RPA Free”とか、そんなキーワードで検索したところ、次の2つの製品をみつけました。
- WorkFusion
- UiPath
WorkFusion

得意の英語力(英検4級)によると、機能制限版やCommunityEditionが無料という訳でなく、全ての機能が無料のようです。素晴らしい。コンサルで稼ぐ・・・的なビジネスモデルなのかな?
オフィスがニューヨークってのも、あまり見かけないかも。
追記: 有償の上位版があるらしいです。
さっそく登録して、届いたメールを見てみると・・・

『いま準備中だから、2017年6月15日(まで?)に、ダウンロードできるリンクを送るよ。』ってことらしいです。残念。肩透かし。
とりあえず、ダウンロードできるようになるまで、WorkFusionで遊ぶのは保留です。ちなみに、WorkFusionのスクショはこんな感じ。

んー?本当にこれを『セルフサービス』できるのだろうか・・・。
よく『セルフサービスBI』とか言われる製品のデモを見ても、どシンプルなデータモデルでデモしてるケースが殆ど。そりゃ、そんなシンプルなデータモデルなら、セルフサービスだって何だってできるだろうけどさ・・・。
『ウチの社内システムのデータモデルの定義がクソだから、操作も無駄に複雑になってるだけ』ってのも理由の一つだけど、いまから大金と時間掛けて全社のデータモデルをキレイにする・・・って訳にもいかないので。
RPAも『理想的な環境では光輝くけれど、現実世界ではガラクタ』、そんな感じなんでしょうか。不安です。
UiPath
気を取り直して『UiPath』も試してみます。

こっちは、CommunityEditionを問題なくダウンロードできました。利用期限もなし。素晴らしい。
インストールして、UiPathを起動すると、プロジェクト名の入力を促されます。今回は『花の名前』シリーズでいってみます。

プロジェクト名は”tulip“でスタート。
スタートすると、こんな画面が表示されます。

学習
・・・とはいえ、最初に何をしたら良いのか、まるで見当が付きません。まずは、マニュアルとかチュートリアルとかをサクっと眺めてみます。

字幕付きのビデオが用意されているので、これを一通り見れば、簡単なものは作れそうです。

ただし、“Basic Consept”の章のビデオが約1時間(!)。他にも10分~30分くらいの動画が13本(!!)あります。
長いな・・・。時間のある時にまとめて見るか・・・。
基礎的な内容は13時間だけど”セルフサービスできる”とはコレいかに。
ま、いまはとりあえず、セルフサービスのコトは忘れます。
※動画には、SAPとかCitrixとか、とりあえず個人で遊ぶ分には飛ばせそうなものも混じってました。
今日のまとめ
- 国内のベンダーは、トライアル版くらい使わせてください。悪いこと言わないから、情報の非対称性を悪用するような商売は、そろそろ辞めたほうが良いと思いますよ?
- IT部門も同罪。「製品を評価・選定した。使ってないけど。」とか、エスパーかよ。
- 現時点のRPAの製品では「セルフサービス」できるのか、非常にアヤシイ。
- UiPathのチュートリアルのビデオが超充実。けど、長い。いつ見ようかな・・・。
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