社内システムの名前の決め方とアンチパターン
情報システム部門で働いていると、大小さまざまなシステムの名前を付ける機会があります。
これが意外と難しい作業で、システムの命名が会議のテーマに挙がっても、いい年したオジサンたちが意見を出すのを恥ずかしがってしまい、活発な議論ができなかったりします。
結局会議では決まらなくて、各自持ち帰りの宿題にしたところで、次の会議でも良い案が出てこない。最終的には多数決で、かなりイケてない名前になってしまったりします。
というわけで、この記事ではシステムの名前の付け方とか、システム名の候補をあらかじめ列挙しておこうと思います。
なお、この記事はネタ帳なので、内容は随時追加します。
Webサービスの名前の付け方は、ちょっとおおげさすぎる
軽視されがちですが、名前がないとすごく困ります。それはもう、信じられないくらいに。また、良い名前がつけられれば、開発チームも、利用者も、システムに対して愛着がわきます。
「いま作ってるシステムの名前を付ける」という行為を、開発プロジェクトのイベント感・お祭り感の演出に利用するのも良いでしょう。いつも真面目な会議じゃ、疲れてしまうので。
いざ名前をつけようと思ってWebで検索すると、名前の付け方を紹介する記事がたくさんヒットします。「Webサービスの名前の付け方」を紹介したものが多いですが、社内システムで同じことをやろうとすると、少し問題があります。コンシューマ相手のサービスの場合なら、親しみやすくて、でもインパクトを残せて、SEO的に問題がない。そんな名前を付ける必要があるのでしょう。

ただしこれは、社内システムの命名に求めるものとは違います。このような名前の付け方をしてしまうと、付けた名前が独特で、大げさすぎるものになりがちです。
社内システムの名前を付ける場合は、このまま真似するのではなく、ちょっとだけ工夫したほうが良さそうです。
アンチパターン
とはいえ、センスの無い面々が集まって頭を捻っても「時間がもったいないから、無難な名前を付けよう」という方向に向かいがちです。
特に、これから紹介するような名前は、何かと問題が多いです。問題があることがわかっていても、考えるのを諦めてこのような名前で済ませるケースも多々あります。
せっかく苦労して作っているシステムなんだから、もう少し愛着の持てる名前を付けたいものです。
1. ▲▲管理システム
「問い合わせ管理システム」とか、「取引先管理システム」とか。「▲▲」 には、そのシステムで扱う主要なエンティティが入ります。
単純に、ダサい。
それだけじゃなく、そのシステムが機能追加・拡張されたときに「▲▲」以外も扱うようになることがあります。その場合に名前が実態を表さなくなるようなこともあります。
また「▲▲」があまりにも大きい範囲を示していたり、社内的に意味が曖昧だったり、社外で通用しない言葉になっているようなケースもあるでしょう。特に”世間と違う意味で使っている言葉”は、転職組や社外のベンダーからは、大いに不評です。
2. 新●●システム
いつか、そのシステムが”新”じゃなくなる時が訪れます。その時には「新・新●●システム」になるのでしょう。それもまた一興です。
3. システム名の一部に、部門の名前を付ける
「購買部統合システム」とか。いつか、その部門の名前が変わったときに・・・。
4. 英単語3-5文字くらいの造語
社名の1文字目とか、”SPEED”とか”NEW”とか”HOPE”みたいな、印象の良い英単語の組み合わせの造語をシステムの名前にすることもあります。その会社の基幹システムなんかで多いパターンですね。
コレはコレでアリのような気もしますが、小規模・中規模なシステムだと、ちょっと大げさすぎます。イチ部門で使う業務システムなのに、和訳すると「●●社統合革新システムの略」みたいなモノだと、明らかに身の丈に合ってないですよね。
5. 名前を付けるのが遅すぎる
リリース直前でシステムに名前を付ける。たけど、プロジェクトのメンバーには浸透せずに、いつまでもプロジェクト名でシステムを呼ぶ。そのせいで、利用者もプロジェクト名で呼ぶ・・・。
・・・みたいなパターンは、できれば避けたいものです。
じゃ、どうする?
ほどよく愛着が持てて、大げさすぎない、長く使える名前にしたいものです。どのくらい砕けた言葉が許されるかは、社風によるでしょうか。
宿題にしないで、会議の中で議論・決定する。
「宿題にして名前の候補を集めて、後日会議で多数決」ではなく、みんなが納得感・愛着を持てるように、宿題にしないでその場で議論して、その場で決めるようにします。
とはいえ、具体的にどうやって決めていったらいいでしょうか。例えばこんな決め方があります。
1. 特徴を示すキーワードを組み合わせたり、崩してみる。
- そのシステムの特徴や、扱うデータ、期待すること、目的なんかを表す単語をたくさん出します。遊びゴコロが許される環境なら、担当者の好きな食べ物とかペットの名前のような、システムと全く関係ないものでもいいでしょう。
- それらの単語から2つ選んで、組み合わせます。
- 組み合わせた単語を崩します。平仮名にしたり、カタカナにしたり、濁点を付けたり、省略したり、アルファベットにしたり、語尾を[–y]とか[–er]にしたり。
- これをいくつか作って、その中からみんながどれが好きか、意見を言い合ったり、更に崩したりします。
- 意見が集約されてきたっぽい雰囲気になったら、多数決で決めます。
この方法は、会議のメンバーの納得感・自分たちが決めた感があるので、愛着が湧きやすいです。ただし、出席してるメンバーのマインドとか、ファシリテーターの腕次第では、グダグダになってしまうこともあるので注意が必要です。
2. 自然物や地名など、バリエーションが多いモノの名前を拝借する。
パターン | 例 | 備考・注意点 |
---|---|---|
樹木 | ヒノキ, ヒイラギ, シラカバ | 清潔感ある。木のイメージから意味を持たせやすいかも。 |
花 | ウメ・サクラ, コスモス, ヒマワリ | 可愛らしすぎるかも。気象衛星を連想させるかも。 |
うまい棒 | メンタイ, ヤサイ | 昔の2ch風。知ってる人は知ってるので、使い所に注意。 |
都市 | ニューヨーク, パリ・ワシントン | 会議室に都市名付ける会社もあるけど、気取りすぎ?アジア・アフリカか、欧米でもマイナー都市の方が良いかも。 |
宝石 | Ruby, Perl | 開発チームが別のモノを連想しないような宝石で。 |
タロットカード | Fool, Magisian, Empress | Fool以外で。Foolはマズいでしょ。。。 |
ギリシャ神話の神様 | ガイア, ゼウス, アレス, ヘスティア | 有名どころを避ければいい感じかも。 |
この方法だと、1度決めたら、2コ目以降を決めるのがとてもラクです。ただし、名前と意味が一致しないので、短期間に増えすぎると、何が何のシステムのコトが混乱することもあります。
まとめ
ネタ帳なので、まとめも何もないのですが、もっと持ちネタを増やしたいですね。。。
コメント
サイ蜂様
読者登録ありがとうございます。
似たような仕事をしているような気がします。
今後ともよろしくお願いします。